インプラントより短い治療期間と少ない治療費
インプラントに比べ、本来の歯を治療する精密根管治療では、一つの歯において治療回数が2 回から3回(初めての歯の神経治療の場合は1回または2 回)となっており、インプラントに比べ非常に少ない通院回数で治療を終えることができます。また治療費も、インプラントと比較するとトータルで約半分ぐらいの費用で済みます。
従来の「根管治療」は、一般的に「歯の神経の治療」のことを指し、歯科治療を行ったことのある方の多くが経験されていると思います。これに対し精密根管治療は、従来の根管治療では治療できず抜歯に至る症例でも、最先端の設備と技術で、できるだけ本来の歯を残せるようにするためのより精度の高い治療法です。従来の抜歯やインプラントを行う前の、歯を残すための最終段階の治療として注目を集める精密根管治療ですが、日本ではまだ数%の歯科医院にしかこの治療を行うための歯科専用顕微鏡(マイクロスコープ)は、普及していないと言われています。こうした最先端の機器を使った、正確な診断と根拠のある治療が行える精密根管治療で、再治療や外科的な処置に至る可能性はかなり低くなります。
1.ラバーダム防湿による感染予防対策
ラバーダム防湿は、金属製の留め具のような器具を装着し、治療する歯以外を薄いゴムのシートで覆いかぶせて口腔内の唾液や細菌から歯を守る、マスクのような役割を果たしています。 ラバーダムを装着することで様々な細菌が根管に侵入するのを防ぎ、出来る限り無菌的な処置を行えるよう、理想的な衛生環境をつくり出し治療を行っています。これにより歯科医師も歯科衛生士もその歯治療に集中できるというメリットもあります。初回治療においてラバーダムを使用することにより、治療の成功率は約90%まで高くなります。
2.マイクロスコープ
マイクロスコープとは、肉眼で見えない部分を約25 倍に拡大し、従来の治療では不可能な繊細な治療を可能にする歯科専用の手術用顕微鏡のことです。マイクロスコープを使用することで、これまでレントゲンと計測機械を頼りに手探りで行われてきた治療が、目で根管内の細部まで確認しながら精密な歯科治療を行うことができます。精密根管治療のメリットは、治療を行うことで歯の痛みを解消し、抜歯をせず本来の歯を残したまま治療を行うことができる点です。また、通常の根管治療においても、この精密根管治療を行うことにより、治療後の再感染、再治療のリスクを格段に減らすことができます。
3.必要に応じて歯科用CTで精密な検査を行い、正確な診断を行います
歯科用CT にる精密な検査と、3D 画像撮影による確実な診断を行います。治療を行う歯の根管の長さと幅を正確に測定していくためには、高性能な歯科用CT は非常に有効で、 一度の撮影で多くの情報が得られます。さらに、痛みのない初期の虫歯も発見できるため早期治療や早期予防につなげることが可能になり、安全で確実な治療を行うことができます。
ただ、精密根管治療は難易度の高い治療であるため、専門知識や技術を身に付けた医師でないと行えないことがデメリット であり、なかなか普及しない大きな理由の1つにあげられています。 浜瀬歯科では、専門知識を身につけ、十分な研修を行い経験を積んだ医師が治療を担当しておりますのでご安心下さい。
むし歯や歯周病が進行し、やむをえず抜歯という選択をしなければならなくなった場合、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いた高度な精密根管治療を行うことにより、抜歯をせずにすむことがあります。歯を抜くのであれば、その前に精密根管治療で残せる歯かどうか診察を受けてみてはいかがでしょうか。当医院では「セカンドオピニオン外来」を設けており、他の歯科医院に通われている患者が主治医から示された治療法や手術法などで、重要な選択をしなければならないときに、第三者の専門家の意見を聞くことで患者さまご自身が納得して選択を行えるよう、最先端の歯科用CTで診断し、ご納得いただけるようご相談をお受けしております。全ての歯が抜かずにすむわけではありませんが、もしかしたら抜歯をせずに本来の歯を残したままの治療が行えるかもしれません。
インプラントと精密根管治療との違いは、歯根膜(感覚センサー)の存在です。
歯根膜は、本来の歯に備わっている感覚センサーの役割を果たしています。歯根膜のセンサーのおかげで、歯そのものや歯の被せものを守る働きがありますが、インプラントではそのセンサーが存在しないので、物を咬む時の感覚センサーとして、歯そのものやその上に装着されるブリッジやクラウンをどのように守っているのかはまだ解明されていません。
また本来の歯は、血液循環もインプラントに比べて豊富で免疫力にも優れています。
だからこそご自分の歯を大切にされる方に対し、治らないから抜歯を行うという診断をすぐに行うのではなく、精密根管治療を受診し、抜かずに治すことができる歯かどうかを正確に診断してから初めてインプラントを考えても遅くはありません。修復可能な歯に対しては精密根管治療を行い、保存不可能な歯に対しては早期に抜歯を行うことで、骨レベルを維持し、その後のインプラント治療においても配慮していくことができます。インプラントと従来の根管治療との間にある治療、それが精密根管治療です。
インプラントに比べ、本来の歯を治療する精密根管治療では、一つの歯において治療回数が2 回から3回(初めての歯の神経治療の場合は1回または2 回)となっており、インプラントに比べ非常に少ない通院回数で治療を終えることができます。また治療費も、インプラントと比較するとトータルで約半分ぐらいの費用で済みます。
治療前
虫歯を除去
むし歯と感染している部分を取り除きます。歯髄の入っている根管内を隅々まできれいに除去し、治療の器具が入るよう神経が 入っている管まで穴をあけます。
根管内を清掃・消毒
根管内を乾燥させます。根の管の中の水分を取り、乾燥させます。
充填剤を充填
根管内に充填材料を根管の尖端(根尖)まできっちり詰めます。根の管の幅と長さに合わせたゴム状の薬を挿入します。
この歯を土台にクラウンなどを被せます。仮封をしてから汚染されないようにしっかりと蓋をします。
マイクロスコープ(手術用顕微鏡)
マイクロスコープとは、通常手術用に用いられる顕微鏡のことです。細かい作業である歯科治療にマイクロスコープを使用することで、肉眼で見えなかった根管といわれる細い管の入り口まで見えるようになり、格段に正確な処置が出来るようになりました。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いれば、狭い根管内もはっきり目で見て確認しながら治療でき、治療精度が向上します。
ラバーダム防湿
ラバーダムとは根管治療などの際に歯に装着する、薄いゴムのコートのようなもので、治療に必要な歯のまわりを囲むようにかぶせます。これは治療中に根管内に唾液中の細菌が進入するのを防ぐためで、薄いゴムのコートは毎回新品を使用します。精密根管治療では歯の中に細菌を入れてしまうことが治療結果を大きく左右するため、この「ラバーダム防湿」は治療には必須です。根管治療(歯の根っこの治療)は一般にほとんどの歯科医院で行われている治療ですが、ほとんどの歯科医院ではラバーダム防湿(無菌的処置)を行わずに治療を行っています。現在の標準的歯科医学では、ラバーダム防湿を行うことはすでに常識で、すべての根管治療に「ラバーダム防湿」を行うことが大前提と言えます。当院ではすべての根管治療でラバーダム防湿を行っております。
5年、10年先でも出来るだけ歯を長く持たせるために最善の歯科治療を行えるよう、常に医師の高い技術力と最新の設備環境をご用意することは浜瀬歯科のコンセプトでもあります。
歯に対する意識の高い方、できるだけ長く歯をのこしたい方に、自信を持って、最善の治療がご提供できるよう、これから
も日々治療技術を高め、最新設備を整えて真摯に治療に取り組んでまいります。
Q1治療中や治療後はどれぐらい痛みますか︖
術中術後の不快感を最小限にするために麻酔を行いますので、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。 術後の痛みに関しては患者さまの症状や処置内容、体質により異なりますが、術後数日の違和感や刺激に対して過敏(痛みや腫れ)になってしまうことがまれにありますが、基本的には痛み止めのお薬を処方することでほとんどの痛みは収まります。 ただ、患者さまの多くはこのような痛みを訴えることはほとんどありません。
Q2治療のための通院回数はどれくらいかかりますか︖
ほとんどの場合、2から3回の来院で治療は終了します。(ただし1回の治療時間が長くなる場合がありますので、事前にお問い合わせ下さい。) 感染のない歯の治療の場合は1回の来院で終了する場合もありますが、場合によっては術後の観察に年に1~2回来院していた だく事もあります。
Q3どうすれば治療が受けられますか︖
まずはお電話で診察のご予約をお願いします。初診時に患者さまからどのような症状なのか、治療歴等をお聞きし、レントゲン診査を行ないます。 そして、現在の歯の状態をしっかり調べ、本当に歯が痛みの原因なのかを鑑別します。 歯が痛みの原因であれば、根っこの問題なのか、歯周病からの痛みなのかも診断します。 これらを総合的に検討し診断を行った上で治療方法を患者さまにご説明し、納得された上で治療法を決定し、計画的に治療を行っていきます。
Q4費用はどれくらいかかりますか︖
歯の状態や治療の内容等によって異なります。詳しくは診察の際にお尋ねください。
Q5インプラントより精密根管治療のほうがいいのですか︖
一概にどちらがよいと言えるものではありません。インプラント治療もすばらしい治療法で、多くの患者さまに恩恵を与えています。歯科用CTによる診査診断から治療計画を立て、技術を持った歯科医師が手術を行い、きちんとしたケアを行いながら治療を進めて行きます。
ただ、残念ながらすべての歯科医院が同様の治療を行っているわけではありません。その治療の素晴らしさ故、日本の歯科会では現在インプラント治療に傾倒していると言わざるをえません。
そんな中、本来の歯のすばらしさを改めて見直し、適切な診断を行い、救える歯はできるだけ残し、治癒傾向を示さない歯にはその時点で初めてインプラントを検討していくべきだと考えています。
実際、インプラント患者の約3割が、正しい根管治療を行えば抜かずに歯を残せると言われています。
Q6感染対策は十分なされていますか︖
院内は、徹底した感染予防を行っております。患者様おひとりおひとりに対してディスポーザブル(使い捨て)のグローブ、コップ、エプロン、ひとつひとつ滅菌された器具を使用しております。また精密根管治療の際に使用するラバーダム防湿は、治療中に根管内に細菌が進入するのを防ぎ、治療の結果を左右する非常に重要な処置になりますので、精密根管治療を行う患者さまには必ずラバーダム防湿を行っております。